今日は、回復した体力を確かめるように、少し森を歩いた。
僕のホームグラウンド、真鶴半島の400年の森は、穏やかで静かで、まるで実家に帰ったような安心感がある。
一方、ここ屋久島の森は、やさしいというより「生命そのもの」がむき出しになっている野生的な場所だ。
深い緑
激しい雨
轟音の川
立ちのぼる霧
まるで異世界に立ち入ったような感覚になる。
屋久島は、日本で最も雨の多い島。
島の中心には九州最高峰・宮之浦岳がそびえ、雨は急な山肌を一気に駆け下り、短い川となって、あっという間に海へと還っていく。
島の地盤は固い花崗岩。雨は地中に染み込む間もなく、そのまま川へと流れ込む。
雨が降り、川を流れ、海へ注ぎ、また雲になる——
この島には、そのサイクルがとてつもなく速い、超高速の水循環がある。
東洋医学では、人体では「気」が「血」や「水」の巡りを先導すると考える。
天人合一。
ならば自然界でも同じように、水の巡りには、それを動かす“氣の流れ”があるのかもしれない。
水と氣は、見えるものと見えないもの、同じ循環の二つの側面だ。
屋久島には、ダイナミックに巡る氣の勢いを感じる。
この地に立つと、水のように、外の氣がすぅーっ内側へ浸み込んで、自分でも気づいていなかった何かを、静かに揺り動かしてくれるような気がする。
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