第2話 形の終わり - 突然の喪失

それは突然終わった。

知人による事業の乗っ取り。


あまりにも突然のことで、最初は何が起きたのか分からなかった。そして次の瞬間、とてつもない怒りがこみあげてきた。あらゆる手を尽くして取り戻そうとしたが、反撃の手段は何一つ残されていなかった。用意周到で、完璧なやり方だった。

今思えば、確かに兆しはあった。

行政機関や政治家を巻き込んだ、ちょっとした騒動となった。応援してくれた有力者もいたが、覆ることはなかった。

でも気がつくと僕は、その見事な手際を前に「これは流れだ」と感じていた。怒りは消え、不思議な静けさがあった。


なぜそうなれたのか、当時の僕には説明できなかった。

ただ一つ、はっきりしていたことがある。

僕が失ったのは、形だった。志ではなかった。

事業という形が消えても、"人類の精神的進化のため"という志は、内側にあった。傷ついていなかった。

むしろ、形がなくなったことで、志の輪郭がくっきりと見えた。


そしてもう一つ、気づいたことがあった。
本当に恐れていたのは何かということだ。

でもそれに気づいたのは、もう少し後になってからのことだ。


次回——僕を支えていた土壌について。