春の焦燥感

春になると、 もっと何かをしなければならないと感じていませんか? 

 

私は毎年、新年度が始まる頃になると、 そんな焦りのようなものに駆られていた。

もっと考えなければ。

ちゃんと計画を立てなければ。

何かを始めて、人生をうまくコントロールしなければ。

でも今思えば、 その「何かをしようとする力」こそが、 自分を縛っていたのだと思う。

「こうあるべきだ」という強い思いが、 ふと感じる「あ、今はこれでいいんだ」という 小さな納得感をかき消していた。

 

「無とは、何もないということではない。

余計なことが起きていない静かな状態だ。」

 

静けさの中にいると、 少しずつ感覚が変わり始める。

何かを足そうとしなくなる。

「うまくやろう」と力んでいた肩が、ふっと軽くなる。

頭の中の忙しいお喋りが止まると、 体は自然と、いつもより深く呼吸を始めている。

昨日への後悔も、明日への不安もなく、 ただ、今この場所で息をしている自分だけがある感覚。

それは、何かを成し遂げようと必死なときではなく、 ただ何もしない時間を許したときに、 いつの間にか訪れる。

静けさの先に、自然と道が見えてくる。