伊勢⇄東京1000キロを3日で駆けたのは本当か⁈

江戸期の文献の中に、歩き方や早足に関するものがあります。
当時の人々の歩き方は、現代の私たちとは相当異なっていたようです。
浮世絵や日本を訪れた外国人が残した記録をもとに、当時の歩き方を推測した研究も見られます。

そういった研究によると、腕を振り、膝を伸ばしてかかとで着地するのが現代人の歩き方だとすれば、江戸期の人々の歩き方は腕をあまり振らずに、小股で足裏全体で着地する歩き方だったようです。
和装で草履や下駄履きだったために、それが理にかなった歩き方でもあったのでしょう。 
力強く伸びやかな現代的、西洋的な歩き方とは、ずいぶん異なります。

当時の歩き方(早足)で驚くのは、歩く距離とそのスピードです。
伊勢・松坂の射和(いざわ)地方に残る歴史資料『射和文化史』の中に、伊勢〜江戸(おそらく片道500kmほど)を3日で往復したという豪商、竹川竹斎の「神足歩行術」に関する記録が残っているようです。
当時の道は、アップダウンのある悪路も多かったはずです。江戸期成人男子の平均身長は157cmほどだったと言いますから、そのくらいの体格の人が、わらじを履いて早足で駆けたのでしょう。街路灯のない時代なので一日16時間駆けたとすれば、そのスピードはなんとおよそ時速21キロ。フルマラソンを2時間で走る速さです。

竹斎は、神足歩行術を矢野守助から伝授され、竹斎のお弟子さんも多くいたようですから、特定の人だけの超人的な能力だったというわけではなさそうです。
歩行術の詳細は口伝のため喪失してしまっているようですが、文献の中に残されている部分もあるようです。
それは、臍下丹田に呼吸・氣を集め全身をほぐすこと。腰まわり、股関節、膝、足先を緩めることのようです。

日本人の文化・伝統、そして丹田呼吸は本当に奥深いです。

カラダ、目覚めよ!

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